親と私の終活の話、時々自分語り

親が終活を始めたために悪戦苦闘する娘の話です。葬儀社のこと等、あまり表に出ないことについて書いてみようと思います。

突然の話

2019年の春。

もうかれこれ8年ほど帰省もせずにいた私の元へ母から「夏に帰ってくるように」との連絡がありました。何事かと訊いても要領を得ない。長らく帰っていないからまあいいかと帰省の準備を整えて、息子達を引き連れて帰省しました。

正直、8年という歳月を舐めていました。

そこにいたのは私の記憶とはまったく違う母の姿。確かに母とは分かるけれども、確実に老いてる。真っ黒だった髪はシルバーグレイに。しわくちゃな顔や手は、老人のそれでした。

驚きを顔に出さないようにしながら荷物を片付けつつ「それでどうしたの」と出来るだけ気軽に訊くと、終活という単語が出てきました。

私が中年になったように、母は老人になったのです。もう死を考える年齢になったということでした。

ショックでした。

癌を2回乗り越えてきた母です。勝手に「長生きするだろう」と思っていました。長く会っていなかったこともあって、母の老いを受け入れることは容易いことではありませんでした。ですが目の前にいるのは確かに老いている母。先のことを何も考えずにいるわけにはいかない現実がそこにはありました。

ここから、母の終活のための活動が始まります。